患者さんに、「かむ力が強いですね」と言うお話をよくします。それは、歯のすり減り方、筋肉のつき方、顎の骨格、歯茎の形などから、おおよその察しがつくからです。この「かむ力」が強い方はいろいろな問題(歯の破折、歯周病、顎関節症など)を起こしてくる大きな原因のひとつです。但しここで言う「力」とは、「物を食べる時の力」のことではありません。咀嚼するときに歯に加わる力は瞬間的なものなので、それ自体が歯や歯周組織に与える影響はあまり問題にはなりません。問題なのは、無意識のうちにしている「かみしめ」や、寝ているときの「歯軋り」「くいしばり」です。思い当たることはありませんか?案外やっていることが多いようです。
植田 英樹
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